都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

胃食道逆流症の疫学とリスク因子

GERD疫学:最近の動向

日消誌.2017;114:1781-1789.

 

逆流性食道炎の男女別リスク因子

総合検診.2018;45(6):729-734.

 

胃食道逆流症(GERD)は、

欧米では、慢性咳嗽の原因第3位で、

咳嗽・胸やけ・呑酸・咽喉頭違和感などの症状がある。

 

2015年GERD診療ガイドラインが発行され浸透してきている。

 

GERDは、びらん性GERDと非びらん性GERD(NERD)に大別される。

びらん性GERDの有病率は、平均12.0%(検診対象)、平均10.8%(外来対象)となり、増加傾向にある。

GERD症状の有訴者率(有病率)は7.7-24.1%とされ、びらん性GERDの有病率よりも高いことから、NERDの占める割合も高いと推測される。

 

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リスク因子や関連因子としては、

胃酸分泌亢進

萎縮性胃炎なし(男性のみ)

ヘリコバクター・ピロリ

食生活の欧米化

食道裂孔ヘルニア

BMI高値~体重増加

などがある。

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GERDは、バレット食道→バレット腺癌へと移行する可能性があるため、

放置することなく、適切に対応していくことが必要である。

鍼灸師は、こうしたリスク因子や症状がある場合、可能性を考慮し対応することが求められる。