都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

遅発性筋痛(筋肉痛)に効果的な方法は?

2018 Apr 26;9:403.
 doi: 10.3389/fphys.2018.00403. eCollection 2018.

An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis

 
筋肉痛は遅発性筋痛(DOMS)とも呼ばれ、24時間以内に始まり72時間以内にピークを迎える。
その機序は明確にはなっていないが、 トレーニングに影響を与えるため、ケアが必要とされる。
ケアの仕方として、大きく2つに分けられる。
1.アクティブ・クールダウン~軽めのジョグや自転車での有酸素運動
2.パッシブ・クールダウン~マッサージ・静的ストレッチ・電気刺激・冷水浴など
これらのケアで最も有効な方法は?
という目的でのメタ解析。
 
2017年までの報告(n=1963)から厳選され、99編が残った。
集められたケアの方法は8つ。
1.アクティブリカバリー~上記でいうアクティブ・クールダウン
2.マッサージ
3.加圧ウェア(コンプレッションウェア)
4.冷水浴
5.交代浴
6.寒冷療法(アイシング)
7.電気刺激
8.静的ストレッチ
 
この8つの方法を、トレーニング後6時間・24時間・48時間・72時間・96時間に行った場合の効果を比較した。
 
その結果、
レーニング後6時間以内のケアでは、静的ストレッチと電気刺激を除く方法でDOMSの痛みが改善した(下図A)。
また24時間~48時間においては、アクティブリカバリーの効果は減弱し、マッサージが最も効果があった。
72時間以降では、加圧ウェアの効果が大きくなった。
 
DOMSによる倦怠感(下図B)については、
マッサージが有効だったが、トレーニング後24時間まで。
それ以降はマッサージの検討はないため不明。
その他、加圧ウェアや冷水浴もそれなりの効果がある。
 
An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is fphys-09-00403-g0005.jpg
 
DOMSに関わる炎症マーカーについては、
CRP値は、冷水浴と加圧ウェアが調べられているが、効果なし。
IL-6は48時間以降のマッサージで効果ありとされている。
クレアチンキナーゼ(CK)は、48時間以降のマッサージで効果あり。48時間での冷水浴は効果あるが、その前後の時間では効果なし。
 
An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is fphys-09-00403-g0006.jpg
Time course effect of recovery modalities on CRP (A), IL-6 (B), and CK (C). The results are presented as SMD ± IC (SMD, standardized mean differences; IC, interval of confidence).
 
これより、マッサージを
 DOMSによる倦怠感(疲労)をとるならトレーニング後6時間~24時間
DOMSによる痛みや炎症抑制なら、トレーニング後48時間~72時間
に行うのが最適と思われます。
 
その他、加圧ウェアや冷水浴を適宜組み合わせることで、効果が高くなる可能性はありますが、
静的ストレッチや電気刺激は、DOMSにはあまり効果がない。
 

緊張型頭痛に対する鍼治療

2021 Apr 1;13(4):e14237.
 doi: 10.7759/cureus.14237.

The Effectiveness of Acupuncture on Headache Intensity and Frequency in Patients With Tension-Type Headache: A Systematic Review and Meta-Analysis

 
緊張型頭痛(TTH)に対して鍼治療の有効性をメタ解析
TTHの強度・頻度を鍼や偽鍼(Sham鍼)などで、短期・長期で比較。
15編(n=1272)のうち、4編(下の表の1・2・3・8のもの)が高い基準をクリアし
、それをメタ解析。
 
15編の概要;Google翻訳したものを、そのまま掲載
15編のうち7編は鍼治療、その他にドライニードルやレーザー鍼によるものもある。
記事の特徴

Visual Analogue Scale(VAS)、Clinical Global Impressions(CGI)、Mechanical Pressure Pain Threshold(PPT)、General Health Questionnaire(GHQ)、Depression Score(DS)、Freiburg Questionnaire of Coping with Illness(FQCI)、Nottingham Health Profile(NHP )、日常生活アンケート(ELQ)、生活の質尺度(LS)、運動範囲(ROM)、12項目の短い形式の健康調査(SF-12)、軽度の症状評価プロファイル質問票(MSEP)、ドライニードリング(DN )、シャムドライニードリング(SDN)

  著者 介入 サンプルサイズ デュレーション ファローアップ 成果対策 結果 統計的有意性(CI / p)
1 Karst etal。(2000)[  ] 鍼治療vsプラセボ N = 39鍼治療n = 21プラセボn = 18 週に2回の治療と合計10回の治療 フォローアップ1:治療の最終日。フォローアップ2:治療後6週間。 1か月あたりのVASCGI頻度PPT 治療終了後6週間で、視覚的アナログ尺度および頭痛発作の頻度に関して、プラセボとベルムの間に有意差は観察されませんでした。 VASスコアは有意に減少しましたが、プラセボ群とベラム群の間に差はありませんでしたP = 0.001
2 ホワイトら。(2000)[  ] 鍼治療vsプラセボ N = 44鍼治療n = 22プラセボn = 22 6週間の1治療/週 データは、3週間の4つの期間(慣らし運転、治療の最後の3週間、早期フォローアップ、後期フォローアップ)で分析されました。 VASGHQ頭痛の持続時間平均一般健康アンケート平均スコア社会的機能障害スケール どの時点でも、どの測定値についても、2つのグループの変化の間に有意差は見つかりませんでした。 P> 0.05
3 Karst etal。(2001)[  ] 鍼治療vsプラセボ N = 69鍼治療n = 34プラセボn = 35 週2回の治療で合計10回の治療 フォローアップ1、治療の最終日。治療後2、6週間のフォローアップ; フォローアップ3、治療後5ヶ月 1か月あたりのVAS頻度(日)、1か月あたりの鎮痛薬DS FQCI 1 FQCI 5 CGI NHP ELQ LS 視覚的アナログ尺度および頭痛発作の頻度に関して、プラセボとベルムの間に有意差は、治療終了直後、6週間、および5ヶ月で観察できませんでした。ベラム治療後、生活の質のパラメーター(臨床的世界的印象、ノッティンガム健康プロファイル)に有意ではあるが弱い改善が見られた。  
4 カラコルム他 (2001)[  ] ドライニードリングvsプラセボ N = 30ドライニードリングn = 15プラセボn = 15 4週間 最後の治療後(4週目) 優しさスコアROM 平均頭痛指数は、治療群とプラセボ群の両方で、治療後に有意に改善しましたが、2つの群の違いはわずかでした。治療群では、圧痛スコアと頸部ROM制限スコアは治療後に有意に改善されましたが、プラセボ群では有意な改善はありませんでした。 P <0.05
5 Xue etal。(2004)[  ] 電気鍼療法(グループA)対偽の電気鍼療法(グループB) N = 40グループAn = 20グループBn = 20 フェーズ1(4週間)フェーズ2(4週間) (フェーズ2の3か月後) VASPPT頭痛の障害と病気の影響 ベースライン時とフォローアップ終了時の2つのグループ間に有意差はありませんでした。 P <0.05
6 Ebneshahidi etal。(2005)[  ] レーザー鍼(グループA)対偽のレーザー鍼(グループB) N = 50グループAn = 25グループBn = 25 週に3回、10回のセッション 最後のセッションの後、毎月3回の評価が行われました。 VAS攻撃の期間頭痛のある日/月 頭痛の強さのスコアの中央値、発作の期間の中央値、および1か月あたりの頭痛のある日数の中央値において、1か月、2か月、および3か月のベースラインからの変化にグループ間で有意差がありました。 P <0.001
7 Söderbergetal。(2006)[  ] 鍼治療(ACU)vs体力トレーニング(PT)vsリラクゼーショントレーニング(RT) N = 90鍼治療n = 30体力トレーニングn = 30リラクゼーショントレーニングn = 30 2.5〜3か月 最初のフォローアップは、収集された日記による治療の直後でした。次のフォローアップは3か月目で、最後のフォローアップは6か月目でした。 VAS頭痛のない日と頭痛のない期間。 治療期間の4週間前のベースライン評価中、3つの治療グループ間で頭痛の強さ、頭痛のない日数、または頭痛のない期間に有意差はありませんでした。リラクゼーショングループは、最後の治療直後の鍼治療グループと比較して、有意に多い数の頭痛のない期間と有意に多い数の頭痛のない日数を報告しました。どの時点でも、研究グループ間に他の有意なグループの違いはありませんでした。 ラクゼーショントレーニングvsACUグループ:RTグループは、最後の治療直後のACUグループと比較して、有意に多い数の頭痛のない期間(P <0.05)と有意に多い数の頭痛のない日数(P <0.01)を報告しました。
8 Endres etal。(2007)[  ] 鍼治療(verumポイント)vs偽鍼治療 N = 409 Verum n = 209、Sham n = 200 6週間にわたって30分のセッションが10回行われました まず、治療直後にフォローアップします。次のフォローアップは3か月で、最後のフォローアップは6か月でした。 頭痛と薬の毎日の使用の日記、健康関連の生活の質のためのSF-12のドイツ語版(12項目の短い形式の健康調査)の修正された3か月バージョンのフォンコルフ慢性疼痛グレードスケール 6か月で頭痛の日数/月が50%以上減少し、除外された併用薬や他の治療法を使用しない Verumは、頭痛の日数(1.8少ない、95%CI 0.6、3.0、p = 0.004)および国際頭痛学会の反応基準(66%対55%の反応、リスク差12%、95)を含む、ほとんどの副次的評価項目で偽物よりも優れていました。 %CI:2%–21%; p = 0.024)
9 王ら。(2007)[  ] 電気刺激装置と偽刺激装置のような鍼治療 N = 36治療群n = 18プラセボ群n = 18 4週間 2週間、4週間、6週間 頭痛の痛みの持続時間は、毎日の頭痛のある時間として計算されました。痛みの強さは、0〜10cmの視覚的アナログ尺度で記録された。痛みの領域を描き、各段階でデンマーク語版のMcGillPain質問票に痛みの質を説明します。痛みの感覚的、感情的、評価的、およびその他の次元の痛みの評価指標は、メルザックに従って計算されました。頭痛発作と薬の消費の頻度が記録されました ベースラインと比較して、Treat-1では痛みの持続時間が短縮され、Treat-1とTreat-2では痛みの強度が減少しました。2つの治療の全体的な評価は、治療群とプラセボ群の両方で改善を示しましたが、群​​間に有意差はありませんでした 治療群とプラセボ群の両方で改善が見られましたが、群​​間に有意差はありませんでした(P> 0.061)。
10 Söderbergetal。(2011)[  ] 鍼治療vsリラクゼーショントレーニングvs体力トレーニン N = 90鍼治療n = 30リラクゼーショントレーニングn = 30体力トレーニングn = 30 2、5〜3か月 治療終了後3ヶ月と6ヶ月 軽度の症状評価プロファイル質問票(MSEP)VAS 治療直後の3つのグループ間でTTHと生活の質に有意差はありませんでした。3か月のフォローアップでは、体力トレーニンググループは鍼治療と比較してTTHの最も強い改善を示しました。6か月のフォローアップでは、3つのグループ間に差は検出されませんでしたが、リラクゼーショントレーニンググループではわずかな増加しかありませんでした。 治療後:統計的有意性は見つかりませんでした3か月のフォローアップ:ACUと体力トレーニンググループ(p = 0.036)6か月のフォローアップ:有意差なし
11 Chassot etal。(2015)[  ] 電気鍼療法vs偽の電気鍼療法 N = 34電気鍼療法n = 18偽n = 16 週に2回、5週間、2週間後には、他の手法と同じパターン いいえ、治療終了後のフォローアップ ハミルトンうつ病評価尺度疼痛壊滅的尺度スコア短形式頭痛衝撃試験(HIT-6)VAS EAは、偽物と比較して、治療後の痛みを軽減するという統計的に有意な結果をもたらすことがわかりましたが、長期的な効果は検出されませんでした。 EA vs Sham:p = 0.005 VASスコア(2.38±1.77および3.02±2.49)
12 Georgoudis etal。(2018)[  ] 鍼治療/ストレッチvs鍼治療/ストレッチと理学療法技術(マイクロ波ジアテルミーと筋膜リリース) N = 44鍼治療/ストレッチングn = 20鍼治療/ストレッチングと理学療法のテクニックn = 24 4週間 治療終了後のフォローアップはありません PPTVAS 両方のグループで、提供された介入は統計的に有意な結果をもたらすことがわかりましたが、追加の理学療法技術を使用したグループではさらなる改善が検出されました。 主要転帰測定値PPTに関して、すべての測定部位および両方のグループのすべての測定で、1回目から5回目および10回目の治療まで、両方のグループ/治療で改善が認められました(p <.001)。2つのグループを比較すると、10回目の治療後に差異が認められました(p <.05)。
13 Gildir etal。(2019)[  ] ドライニードリングvsシャムドライニードリング N = 161ドライニードリングn = 80シャムドライニードリングn = 81 週3回、2週間 治療終了後1ヶ月 ショートフォーム-36VAS 頭痛の強度、頻度、持続時間、および治療後とフォローアップ時の両方のグループの生活の質に関して、統計的に有意な差が見られました。唯一の例外は、治療後からフォローアップまでの期間の頭痛の持続時間であり、重要であるとは認められませんでした。 DN:p = 0.001(強度、頻度、期間、生活の質)SDN:p = 0.003(強度)、p = 0.001(頻度、期間、生活の質)
14 カマリら (2019)[  ] ドライニードリングvsフリクションマッサージ N = 40ドライニードリングn = 20摩擦マッサージn = 20 1週間に3回/週 治療終了後のフォローアップなし アルゴメーターゴニオメーターVAS どちらの介入も、ドライニードリングによるトリガーポイントでの頭痛の頻度、強度、および痛みの閾値を改善し、摩擦マッサージよりも統計的に有意な結果をもたらすことがわかりました。ただし、2つの方法のいずれも、ドライニードリンググループで増加した伸展を除いて、頸部可動域に影響を与えませんでした。 DN:頭痛の強さ、頻度、痛みの閾値、頸部の可動域(伸展)p <0.005摩擦マッサージ:頭痛の強さ、頻度、痛みの閾値p <0.005 DN vs摩擦マッサージ(痛みの閾値):p = 0.008
15 シラー等。(2021)[  ] 鍼治療vs医療訓練療法vs通常のケアvs鍼治療と医療訓練 N = 96通常のケアn = 24鍼治療n = 24医療訓練n = 24鍼治療と医療訓練n = 24 6週間週2回 治療終了後3ヶ月と6ヶ月 痛みの強さ頭痛の頻度頭痛の持続時間頭痛薬の使用 鍼治療と医学教育療法の組み合わせは、通常のケアと比較して平均疼痛強度を有意に減少させました(p <0.012)。対照的に、鍼治療も医学教育療法も通常のケアと大きく異ならなかった。頭痛の頻度、頭痛エピソードの平均期間、および鎮痛剤の摂取量にグループ間の違いは見られませんでした。3ヶ月で、すべての患者の大多数は頭痛の頻度の少なくとも50%の減少を示しました。6か月の時点で、通常のケアと比較して、すべての介入グループで有意に高いレスポンダー率が見られました。 鍼治療と医療訓練療法vs通常のケア:平均疼痛強度p = 0.012鍼治療または医療訓練療法vs通常のケア:統計的有意性なし3か月および6か月のフォローアップ:頭痛の頻度は減少しましたが、統計的に有意ではありません。
 
頭痛の頻度に関して;
鍼治療の方がプラセボよりも改善傾向(頻度の短縮)があったが、有意差なし(P=0.35)。
人数や対象報告数が増えると、長期的には有意差がでる可能性あり(P=0.06)。
短期比較:
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はcureus-0013-00000014237-i03.jpgです。
長期比較:
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はcureus-0013-00000014237-i04.jpgです。
 
VASによる痛みの程度;
短期比較では有意差なし(P=0.53)だが、長期では有意差あり(P=0.009)。
短期比較:
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はcureus-0013-00000014237-i05.jpgです。
長期比較:
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はcureus-0013-00000014237-i06.jpgです。
 
今回の報告だけみると、緊張型頭痛に対して鍼治療は、短期的な効果は薄いが、長期的にみれば頭痛の強度を下げ、頭痛回数も減少させる可能性が示唆される結果。
またメタ解析はされてないが、鍼通電療法を行った3件の報告も良好な結果を示している。
ストレッチや運動を行うものとの比較では、鍼よりも運動の方が短期的な効果が示されているよう(Söderbergetal。(2011)[  ])。しかしストレッチと鍼の組み合わせはさらに効果が上がる可能性がうかがえる報告もある(Georgoudis etal。(2018)[  ])。
緊張型頭痛に対して、短期的な効果を上げるには、鍼のみよりもストレッチを組み合わせつつ、長期的に頭痛の強度や頻度を下げる方針が選択されるかもしれません。
 
 

産後頭痛ではこれを見逃がさない

Case Reports
 
2021 Apr 13;57(4):376.
 doi: 10.3390/medicina57040376.

Don't Forget Rare Causes of Postpartum Headache! Cases Report and Literature Review

 
産後6週以内に起こった頭痛や首痛
出産経験者の39-40%が経験する。
頭痛の種類も様々で、
緊張型頭痛;39%
子癇前症/子癇;24%
片頭痛;11%
出血や血栓症などの血管障害性;10%
硬膜穿刺後頭痛(PDPH);16%
とされている。

Table 1

The differential causes of secondary postpartum headache, helpful elements for diagnosis, and common management. CSF: cerebral spinal fluid; EBP: epidural blood patch; NSAIDs: non-steroidal anti-inflammatory drugs; MRI: magnetic resonance imaging; CTI: computed tomography imaging [].

Secondary Postpartum Headache Etiologies Signs and Symptoms Diagnosis Treatment
Pre-eclampsia/Eclampsia Hypertension, headache, and altered mental status until unconsciousness Clinic with laboratory findings of thrombocytosis, possible alteration of liver function, proteinuria Pharmacological: blood pressure control with labetalol and nifedipine, antiseizure with phenytoin, diazepam, midazolam, and Magnesium e.v.
PDPH Postural headache worsening with activity, subsiding in 15 min with supine position after accidental dural puncture (ADP) Clinical diagnosis of ADP during analgesia overflow of CSF from Touhy needle, or after positioning of epidural catheter for aspiration of CSF or anesthesia after injection of a test dose of anesthetic If the epidural catheter is inserted, leave in place for 24 h. Keep antalgic position. Avoid dehydration with eventual e.v. supplementation.
Pharmacologic: analgesics and NSAIDs
Invasive treatment: EBP if pharmacologic treatment fails after 2 weeks []
Cerebral venous sinus thrombosis (CVST) Aspecific headache with possible focal signs, loss of consciousness, and seizure MRI Pharmacological: control of seizures and anticoagulation therapy []
Subarachnoid Hemorrhage (more common in presence of MAV) Sudden intense headache unilateral with nausea, neck stiffness, and loss of consciousness CTI Possible neurosurgery in selected case
Posterior reversible Encephalopathy syndrome (PRES) The following can be present: hypertension, headache, vomiting, visual disturbance, altered mental status until unconsciousness, and seizures CTI
MRI
Pharmacologic: to control blood pressure, phenytoin, midazolam, or diazepam; to control seizure, corticosteroids for edema
Cerebral infarction/ischemia Sudden headache, with vomiting, seizure, and possible focal deficit Cerebral angiography Specialist neurologic opinion for management
Meningitis Fever, neck stiffness, and photophobia. Kernig and Brudzinski signs positive.
Petechial rash possible
Lumbar puncture with examination and culture of CSF Selected antibiotic therapy
Pituitary apoplexia (more common in presence of adenoma) Retro-orbital headache and possible hormonal insufficiency (adrenocortical insufficiency, hypothyroidism) and diabetes insipidus MRI and possible laboratory endocrinologic hormonal alteration Correct hydro-electrolytic imbalance if present.
Endocrinologic therapy to supply hormone deficiency.
Possible neurosurgery in selected cases [23].
 
本文では、PDPHの2症例が報告。
 
産後の頭痛では、二次性頭痛の可能性が高くなる傾向にあるとのこと。
緊張性頭痛の頻度が最も高いが、それにそぐわない場合、二次性頭痛の可能性を考慮して対応する。
 
 
 

美容鍼のチェックリスト

2021 Apr 11;8(4):18.
 doi: 10.3390/medicines8040018.

Reliability and Validity of Facial Check Sheet (FCS): Checklist for Self-Satisfaction with Cosmetic Acupuncture

 

美容を目的とした鍼灸は、いくつかの用語がある。

facial revitalization acupuncture”

“face-lifting acupuncture”

“cosmetic acupuncture”.

 

日本人を対象(平均年齢44.2歳)に、インターネットを用いた調査。

12の項目からなる美容鍼のチェックリスト(FCS)の信頼性や妥当性は?

回答者の10%が鍼治療もしくは美容鍼を受けていた。

Table 1

The 12 items on the facial check sheet.

  Not at All Concerned Slightly Concerned Somewhat Concerned Moderately Concerned Extremely Concerned
1. Periorbital lines(眼窩周囲のシワ) 1 2 3 4 5
2. Glabellar frown lines(眉間のシワ) 1 2 3 4 5
3. Horizontal forehead lines(額のシワ) 1 2 3 4 5
4. Nasolabial folds(ほうれい線) 1 2 3 4 5
5. Infraorbital folds(ゴルゴライン?) 1 2 3 4 5
6. Marionette lines(マリオネットライン) 1 2 3 4 5
7. Infraorbital skin laxity(眼窩下のたるみ) 1 2 3 4 5
8. Cheek laxity(頬のたるみ) 1 2 3 4 5
9. Corner of the mouth lines/laxity(口角周囲のたるみ) 1 2 3 4 5
10. Facial shape/contour(フェイスライン) 1 2 3 4 5
11. Complexion(顔色) 1 2 3 4 5
12. Blotchiness and hyperpigmented spots(シミや色素沈着) 1 2 3 4 5

Each item was rated by the 5-point Likert scale.

 

対象が気になる部分;

シミや色素沈着、シワ、たるみ、ほうれい線などが特に対象が顔で気になることが多い項目。

Table 2

Extracted terms from sentences in the stated concern regarding the facial region.

No Term n %
1 Blotchiness and hyperpigmented spots 67 47.2
2 Wrinkles 52 36.6
3 Skin laxity 45 31.7
4 Nasolabial folds 31 21.8
5 Corners of the eyes 16 11.3
6 Dryness 15 10.6
7 Dark circles 10 7
8 Pores 8 5.6
9 Dullness 8 5.6
10 Forehead 5 3.5
11 Resilience 5 3.5
12 Freckles 4 2.8
13 Between the eyebrows 4 2.8
14 Complexion 4 2.8
15 Breakout 3 2.1
16 Melasma 3 2.1
17 Rough skin 3 2.1
18 Corner of mouth 2 1.4
19 Mole 2 1.4
20 Eczema 2 1.4
21 Sebum (oily skin) 2 1.4
22 Swelling 2 1.4
23 Roughness 1 0.7
24 Bruising 1 0.7
25 Downy hair 1 0.7
26 Eye appeal 1 0.7
27 Darkness 1 0.7
28 There is a left–right difference 1 0.7
29 Sunburn 1 0.7
30 Instability 1 0.7
31 Big nose 1 0.7
32 Makeup paste 1 0.7
33 Facial shape/contour 1 0.7

 

FCSと気になる部分は、中等度の相関を示した(Cronbachα= 0.871)

しかし、12項目の中で用語が分からないものもあったとのこと

⇒マリオネットラインなど

 

日本人が美容上気になる部分を臨床で評価する際には使いやすいかもしれません。

 

 

 

口が開けられないときに考える病気は?

Review
 
2002 Mar;29(2):88-92, 94.
 doi: 10.12968/denu.2002.29.2.88.

Trismus: aetiology, differential diagnosis and treatment

 
口はおおよそ3横指分開けば正常とされます。
最も有名で知られているものとして、顎関節症
頻度は低いかもしれないけど破傷風なんかも有名です。
 
開口障害の鑑別疾患は?
 
PDF] Trismus: aetiology, differential diagnosis and treatment. | Semantic  Scholar
 
考える際には、関節内と関節外で分ける考え方もある。
関節内に異常がある場合、顎関節強直症・関節炎(関節リウマチ)・関節円板の異常
関節外に異常がある場合、
感染症・外傷・口腔治療関連性・顎関節症・腫瘍・薬剤性・放射線治療関連・先天性・その他に分かれる。
PDF] Trismus: aetiology, differential diagnosis and treatment. | Semantic  Scholar
 
感染症~頻脈・頻呼吸・発熱(高体温)・白血球数の減少・経口摂取の減衰・脱水などが認められることがある。また頚部硬直なども確認する。
歯性感染⇒歯髄・歯周・歯冠周囲
歯性感染以外⇒扁桃周囲膿瘍・破傷風髄膜炎・脳膿瘍・耳下腺膿瘍
 
外傷性⇒下顎骨骨折・頬骨弓骨折・異物の取り込み
 
口腔治療関連⇒抜歯・局所麻酔
 
薬剤性⇒フェノチアジン・三環系抗うつ薬・サクシニルコリン・メトクロラミド・ハロタン
 
 
その他⇒巨細胞性動脈炎(顎破行)
これらに関連するワードを連想することが開口障害の問診では必要となると思われます。
特に個人的には薬剤や放射線なんかは聞き洩らしやすいので注意が必要。
 

ブルーライトカット眼鏡について

先日、日本眼科学会から、

「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」というものが出されました。

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/PDF/20210414_bluelight.pdf?TabModule796=0

 

デジタル端末から発せられるブルーライトを夜遅くまで浴びると睡眠障害を起こすことがあり、ブルーライトカット眼鏡を夕方以降に使用することで、それを起こしにくくする可能性はある。

しかし、それ以外ではエビデンスに乏しいとされています。

 

この中で、眼精疲労に対してのブルーライトカット眼鏡の効果なしとする報告が引用されているようです。

2021 Feb 12;226:243-251.
 doi: 10.1016/j.ajo.2021.02.010. Online ahead of print.

Do Blue-blocking Lenses Reduce Eye Strain From Extended Screen Time? A Double-Masked Randomized Controlled Trial

 
Do Blue-blocking Lenses Reduce Eye Strain From Extended Screen Time? A  Double-Masked Randomized Controlled Trial - ScienceDirect
CFF;眼精疲労
 
 

PAD(下肢末梢動脈疾患)改善と歩行の強度

2021 Apr 6;325(13):1266-1276.
 doi: 10.1001/jama.2021.2536.

Effect of Low-Intensity vs High-Intensity Home-Based Walking Exercise on Walk Distance in Patients With Peripheral Artery Disease: The LITE Randomized Clinical Trial

 
高強度vs低強度の歩行はどちらが、PADの改善に有用か?
研究デザイン:多施設RCT
対象:PAD患者305例(男性159例・女性146例・平均年齢69.3歳)
群分け:低強度歩行群116例・高強度歩行群124例・運動なし群65例
方法:低強度歩行~下肢疼痛が生じない程度で、週5回・50分/回のゆくっりとした歩行
高強度歩行~下肢疼痛が生じる程度の早い歩行を週5回・50分実施
この運動を12ヶ月実施した。
評価;6分間歩行距離(6MWD)の変化率(変化量)
Low-Intensity vs High-Intensity Walking Exercise and Walk Distance in Patients With Peripheral Artery Disease
 
結果;
305例の対象者のうち250例(82%)が継続できた⇒55例は脱落
低強度歩行の変化は-6.4(-21.5~8.8)mと有意差なし
高強度歩行の変化は、34.5(20.1~48.9)mと有意差あり
運動なしの変化は、-15.1(-35.8~5.7)mと有意差なし
 
低強度vs高強度の差;-40.9(-61.7~-20.0)mと有意差あり
低強度vs運動なしの差;8.7(-17.0~34.4)mと有意差なし
 
高強度の歩行はPADの歩行能力を向上させる。
 
本文を読めていないので分かりませんが、55例の脱落者はどのグループでしょうか?
もし高強度グループが多ければ、おそらく疼痛が理由で継続するのが困難だと思われます。
また疼痛が起これば休んでもいいのでしょうか?我慢して歩くのでしょうか?
患者さんに勧めるには少し難しいかもしれません。