久しぶりの投稿です。
本日は、高齢者の腰痛と鍼灸に関する論文。
. 2025 Sep 12;8(9):e2531348. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2025.31348
慢性腰痛を呈する800人の高齢者を、通常のケアのみ行うグループと鍼を行うグループ、電気鍼を行う3つのグループにランダムに振り分け、3ヶ月後・6ヶ月後・12ヶ月後に両者を比較。
その結果、

通常ケアグループに比べて、鍼と電気鍼のグループは有意な改善が認められた。
さらに、鍼と電気鍼にグループでは、少し効果の出方に違いがあったことも興味深いです。
また鍼灸による有害事象は1%以下であったともされています。
気をつけなければいけないのは、高齢者の腰痛は、筋肉由来のもの以外に、様々な疾患があり得ます。
鍼灸では対処が不適切なケースもあります。
慢性腰痛のように、数ヶ月にわたって腰痛が起こる場合、まず行うべきは、病院での診察です。
そこで内臓由来や癌性、骨折などの疾患が否定されてから鍼灸施術を行うのが望ましいと思われます。
鍼灸における腰痛は、訴えとして非常に多く、だからこそ最も注意が必要な症状とも言えます。
腰痛で日常に悩む方が、少しでも減ること。鍼灸はその一助になれると思います。