骨折を疑ったら聴性打診を
本日は、骨折疑いには聴性打診。
このブログ内でも何回か取り上げているので、お気づきの方もいるかもしれません。
私は、身体所見の中でも聴性打診がなぜか好きで、よく臨床でも行います。
運動器疾患においての骨折は見逃したくないものですが、画像検査が行えない鍼灸師がどうやって骨折を判断するのか?は非常に大切です。
まずは、疑うこと。
そして検査すること。
その検査に聴性打診は有用です。
大腿骨頚部骨折の聴性打診;
恥骨結合に聴診器を設置し、膝蓋骨を叩き、左右の音を比べる。
頭部の骨折や慢性硬膜下血腫の聴性打診;
2つの方法があり、
1.写真のように側頭骨あたりに聴診器を設置し、眉間の上を叩き、音を左右で比べる
2.右(もしくは左)こめかみの上あたりに聴診器をおき、左(もしくは右)こめかみあたりを叩いて音を比べる
頭部の聴性打診の文献では脳の腫瘍を判断することもできるという文献もありますが、私には経験がないので出来るのか分かりません。
他にも文献は見当たりませんが、橈骨骨折や腓骨骨折などにも応用できると思います。
また、
脊椎の圧迫骨折に関しては、最近私が書いた報告があります。
岩元英輔.脊椎の聴性打診により圧迫骨折が判断できた経験.2020;70(1):67-74.
診断精度などは分かりませんが、脊椎叩打痛などと組み合わせることで、安全に施術に臨めると思います。