都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

エステと鍼の併用

本日は、私も所属している全日本鍼灸学会雑誌から美容鍼に関する報告です。

 

玉木奈美、他.フェイシャルケアを中心としたエステティック施術と鍼灸施術併用に対する効果.全日鍼誌.2019;69(1):41-46.

 

顔のエステと鍼灸を併用した際の効果

 

対象は11名(47.0±5.7歳)。

 

エステの内容~クレンジング・洗顔・ディープクレンジング(角質除去とパック)・リンパケア

鍼灸~曲鬢・角孫・神庭・百会・大迎・頬車・下関・聴宮・迎香・陽白・中府・天容・扶突・天けい(LI17)・天よう(TE16)・期門・天枢・太衝・三陰交・血海に置鍼15分、かッサ灸・クルミ

 

プロトコール

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フェイシャルケア前・フェイシャルケア後(鍼灸前)・鍼灸後の3回

顔検査票(FCS)で評価(1~5点で評価、点数が高いほど、顔の状態が気になる部分)。

 

その結果、

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上記表の平均値をグラフ化して掲載

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contとacu-preで有意差があった項目は、目じりのしわと眉間のしわ、マリオネットライン、しみ以外の項目

contとacu-postで有意差があった項目は、目じりのしわ以外すべて。

acu-preとacu-postで有意差があった項目は、目元のたるみ、頬のたるみ、口元のたるみ、フェイスライン、血色の5項目

 

顔のたるみは、エステと併用することで相乗効果が高いように思えます。

また眉間のしわは、エステと鍼灸のそれぞれでは有意差がないですが、全体的には有意差が認められることから、最も併用効果が高いことが示唆されます。

 

今回の報告は、エステと鍼灸の併用した際の報告です。対象人数が少ない、評価が自己評価なので、バイアスリスクが高い、などの改善点はありますが、こうした報告は今後必要なものですので、期待できます。