糖尿病と手の整形疾患
糖尿病や糖尿病合併症があると、手の整形疾患の発生頻度が上がるものがあります。
ある報告では、DM患者の約9%に発生したとするものもあります。
. 2003 Feb;37(1):30-5. doi: 10.1136/bjsm.37.1.30. Musculoskeletal manifestations of diabetes mellitus
では、
糖尿病の有無による発生頻度
五十肩(凍結肩);DMなし:2-10%、DMあり:11-30%
関節可動域の制限;DMなし:0-26%、DMあり:8-50%
デュプイトラン拘縮;DMなし:13%。DMあり:20-63%
手根管症候群;DMなし:125/100000(5年間)、DMあり:11-16%
屈筋腱鞘炎;DMなし:1%以下、DMあり:11%
とされています。
こうした糖尿病由来の手疾患を、糖尿病性手症候群(Diabetic Hand Syndrome;DHS)
と言います。
DMの有無では、同じ疾患名でも少し特徴が異なることがあります。
例えば、
デュプイトラン拘縮では、
DMなし13%程度の頻度ですが、DMアリは16-42%、高齢者、長期罹患はリスク因子
発生部位は、DMなしは、男性の第5指に多いけど、
DMありは、男女両方で、第3-4指に多い。
血糖コントロールが上手くいっているか?で変わってくるかは不明ですが、
おそらくコントロールされている方がリスクは下がると思います。
整形疾患で糖尿病の関連を思い浮かべるのは、とっさには出てこないです。
なので普段から意識しておく。
耳鍼について
The Medial Surface of the Auricle: Historical and Recent Maps. What Are the Possible Expectations of the "Thumb-Index Technique"
中国における最初の耳鍼に関係する書籍;Linh Shu(紀元前474年から221年)
ここで心臓・肝臓・脾臓・肺・腎臓に対応した耳の部位が解説。
その後、P.Nogierが耳介のソマトトピーを提案。
ドイツの雑誌DeutscheZeitschriftfürAkupunkturに掲載。
1。膀胱; 2.腎臓; 3.膵臓; 3a。胆嚢; 4.肝臓; 5a。食道; 5b。噴門; 5c。お腹; 5d。小腸; 5e。大腸; 6.肺; 7.ハート; 8.皮質下; 9.内部鼻; 10.内分泌; 11.脾臓が対応している。
1971年までには、新たな機能局在が発見されたりして(マイクロシステムと呼ばれたりした)、それをもとにフランスの医師H.Jerricoは改定をした。
1988年、中国の鍼灸協会(CAAM)が、耳鍼の地図の標準化作製に取り掛かった。
1990年、テリー・オレソンが、耳の地図は限りなく支配領域が分割されている(セプトグラム)という画期的な提案をした。
また、これまでは耳の内側だけが多かったが、ここら辺から耳の外側まで記載されるようになった。
耳介に関するワーキンググループも1990年からフランスのリオンでWHO主催で開催。
その後も何回か開催されているけど、耳介の共通化ははかれていないとのこと。
2003年には、セプトグラムが改訂される報告があった。
これは耳の穴を中心に3本の基準線を作り、そこを起点にセプトグラムが決まるという考え方。
2010年、世界中国医学界連盟でされた報告では、
新たな考え方が出されたようですが、理解できませんでした。
耳鍼の歴史は古いけど、まだまだ共通認識が出来ていない。
これは耳に限らず、足裏のツボも同じ。
ここらへんは、施術者も患者さんも混乱することがあるので、なんとか改善する方法を探る必要があるでしょうが、まったく方法は思い浮かばないですね。
パルスオキシメーターが足りないなら
すっごく久しぶりの投稿になります。
先日、ニュースで自宅療養者の数が多すぎて、健康観察に必要なパルスオキシメーターが足りなくなっている。というものを見ました。
そこで、本日はパルスオキシメーターの代用としての身体所見を紹介。
Single-Breath Counting Test Predicts Non-Invasive Respiratory Support Requirements in Patients with COVID-19 Pneumonia
便秘の原因となる胸腰椎移行部の圧迫骨折
Prevalence and Risk Factor Analysis of Constipation After Thoracolumbar Vertebral Compression Fractures
手掌おとがい反射について
Lack of hemispheric localizing value of the palmomental reflex
スナップ音を伴う股関節痛
Review
Snapping Hip Syndrome
In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan.
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文献としての質は低いかもしれませんが、他に見つけられなかったので、この文献を参照しました。
Snapping Hip syndrome⇒弾発股症候群
股関節の動きで、スナップ音(ごりっ・ポキッなどの音が鳴る)が認められ、痛みを伴うこともある。
最も多い原因は、股関節の使いすぎによるもの。その他として大殿筋の筋肉注射や外科的処置によるもの。
有病率は、人口の5-10%程度とされ、大多数は痛みは伴わず、女性の方がやや多い。
スポーツ選手に多く、バレエやサッカーなどで多い。
バレエでは、90%が経験するとされ、その多くは両側性。
Snapping Hip syndromeの病因;
股関節前方部の異常を呈することが多い。
関節内:関節唇の損傷によるものが多い
⇒股関節の動きで、これらの摩擦などが起こり、スナップ音(クリック音)が起こる。
大転子滑液包炎や腸脛靭帯の炎症を誘発している場合があるため、
側臥位で大転子が床に当たると痛みが起こるか?
Oberテスト(腸脛靭帯症候群のテスト)
などを確認する。
単純X線写真は、あまり役にたたないが、他の疾患の除外には使える。
基本的に、痛みがない場合は、治療の必要はないとされる。
患者さんは、股関節の亜脱臼を起こしたという感覚になることもあるとのこと。
私はまだ、経験がないが、似た現象として、
マラソン中に、内転筋群の痙攣が起こった瞬間に、股関節の脱臼を起こしたと一瞬思った経験があります。
じっくりと話を聞いて、股関節を動かし、スナップ音の確認と同時に、痛みを伴うかの確認がまずは必要。