都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

橈骨神経麻痺の下垂手

Case Reports
 
2018 Dec;18(6):520-521.
 doi: 10.1136/practneurol-2018-001971. Epub 2018 Jun 12.

Synkinetic wrist extension in distinguishing cortical hand from radial nerve palsy

 
下垂手(Wrist Drop)は、
高位橈骨神経麻痺(上腕中央を圧迫されて起こる)
低位橈骨神経麻痺(後骨間神経の圧迫、前腕内側)
脳梗塞(precentral knob;中心前回外側で中心溝に接する部分:Motor hand areaを指す)
で起こる。
 
高位と低位の鑑別は、感覚障害の有無が参考となり、
高位では感覚障害を認めるが、必発ではないことに注意が必要。
 
脳梗塞と橈骨神経麻痺の鑑別の参考となるのが、
synkinetic contraction
これは、
下垂手のように手をだらんとした状態(下写真の左)で、拳をにぎる動作をすると、
手首の伸展がおきることを指す(下写真の真ん中)。
これは脳梗塞でも保たれる。
しかし、橈骨神経麻痺の場合は、握り拳をつくろうとすると、手首の屈曲が強まる(下写真の右)。
 
Synkinetic wrist extension in distinguishing cortical hand from radial  nerve palsy | Practical Neurology
 
鑑別の精度は不明ですが、日常臨床でも簡単にできる検査です。