若さを保ちたければ、ゾンビを倒せ
本日は、ネイチャーからの報告です。
Nature. 2017 Oct 24;550(7677):448-450. doi: 10.1038/550448a.
To stay young, kill zombie cells.
若さを保つには、ゾンビ細胞をやっつけろ
なんとも論文のタイトルとしては、興味を惹かれます。
ゾンビ細胞とは何か?
また、論文の始まりのイラストもユニークです。
今回は、美容に免疫も関係するという内容です。
この免疫力が下がると、感染症のリスクが上がるのは知られていますが、その他、美容的にはしわやしみなどにも関係してくるとのこと。
細胞が紫外線などで傷つくとその過程で免疫応答が起こるが、免疫力の低下で、細胞のゾンビ化が起こるとしています。
1. 引き金~損傷や疾患が起こっている際に、他の細胞からのシグナルと連動し老化が引き起こされる。
2.シグナルを排出~いったん老化すると、細胞は分裂をやめ、免疫分子を誘引するサイトカインなどのタンパク質を排出する。
3.一掃されるか居座るか~免疫細胞が老化細胞を死滅させ、細胞の再生を可能にする。しかし病的な組織や老齢の組織では老化細胞が蓄積する。
4.ゾンビキラー~開発中の薬剤が細胞の生き残り戦術を無効にして、関節や血管、眼から老化細胞を除去する
この4つの中で、大切なのは2のサイトカインを誘引すること。
ランゲルハンス細胞やマクロファージといった、免疫の主役と言える細胞を、傷ついた部分に集めることが必要となります。
鍼灸は、体に微小な傷をつけることで、こうした疑似的ともいえる細胞の傷ついた状態を作り、免疫応答を起こさせます。
その結果、ゾンビ化を防ぐ、もしくはゾンビ化した細胞の除去を働かせることができると思われます。