都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

肩の痛みPart2;関節包症候群と急性滑液包炎

1.関節包症候群;五十肩や癒着性関節包炎

 関節内に起こる病態なので、疼痛+ROM制限が受動・能動のともに起こる。

同じく関節内に起こる病態として、感染性心内膜炎などの感染やリウマチなどが鑑別に挙がる。

癒着性関節包炎と五十肩は、完全に別々の病態ではなく、一連の流れとして起こることもある。

 

(1)癒着性関節包炎:別名では凍結肩(Frozen shulder)

・外傷などで数週間安静にしたあと起こる

⇒機序として、自己免疫(炎症)が示唆されており、関節可動域の制限あり

・関節包とその周辺の「のり付け」が起こった状態

・痛み+能動的・受動的関節可動域制限

(2)五十肩(肩関節周囲炎)

1800年代の江戸時代からあり、長命病とされた

五十肩外来|夜痛くて眠れないつらい五十肩は東近江市の潤鍼灸院までご相談ください。

・40-60歳代に明らかな外傷がない有痛性関節拘縮

・明らかな原因がある場合は五十肩とは呼ばない

 ・炎症期~拘縮期~回復期と移行することが多い。

 

2.急性滑液包炎

肩峰下腔で起こるが、肩峰下症候群と比べて、より急性かつ炎症ないし腫脹が強い。

主に上腕外側の痛みを訴えることが多い。⇒肩峰下滑液包による

三角筋の滑液包で起こることもある。

肩関節の構造イメージ

外転の受動的可動域制限あり

鑑別として、リウマチ性多発筋痛症(PMR)がある。

PMRでは、発症時期が明確で、肩や腰、足の痛みや立ち上がりにくくなったという訴えがある。PMRの肩病変では、肩峰下滑液包炎や三角筋滑液包炎が起こる⇒圧痛部位の確認が必要。

両腕を挙上(バンザイ)すると疼痛が起こる。

PMRはステロイド治療が奏功する。