都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

肝臓の触診;肝腫大の精度

1994 Jun 15;271(23):1859-65.

The rational clinical examination. Physical examination of the liver

 
鎖骨中線で肋骨下5cm(2横指程度)まで肝臓があることはある。
その場合、打診や聴性打診で肝腫大の有無を確認することが必要。
図1.2肝硬変における肝臓の打診。 (A)肝臓と脾臓の位置を示す腹部と胸部の画像。 健康な人では、肝臓は深いインスピレーションで13cm下降します。 (B)肝硬変では、肝臓の右葉が収縮し、左葉と尾状葉が拡大することがあります。 これにより、胸骨中央線の肝臓スパンの拡大と上腹部の肝臓端の触診が見つかります。 (テイラーアンドフランシス、www.tandfonline.comの許可を得て[34]から転載。)
 
健常者の鎖骨中線の肝縦径;

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またCOPD患者では、肝臓が尾側に偏倚することはよくあるので、触知されやすいことにも注意が必要。
 
こうした肝臓が触知された場合の肝腫大の精度は?
感度;67(62-72)%
特異度;73(70-76)%
LR+;2.5(2.2-2.8)
LR-;0.45(0.38-0.52)
 
この他にも心窩部で肝臓の触知がなければ肝硬変の可能性は低いとされる。
感度;86%
特異度;67%
LR+;2.6
LR-;0.21
Eur J Gastroenterol Hepatol. 2004 Nov;16(12): 1331-4.
 
その他の肝硬変を示す身体所見の精度;
表1.3肝硬変を検出するためのさまざまな身体検査所見の感度と特異性。