圧発汗反射

https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/43/8/43_8_506/_pdf

皮 膚 圧 迫 と 発 汗 反 応
―半 側発 汗 の メカニ ズム―
愛知医科大学 小 川 徳 雄

(皮膚)圧発汗反射；半側発汗

体を横にして寝ると、下側は汗をかかず、上側に汗をかく現象

舞妓さんの高帯も同じ原理

1930年に緒方先生が発見

1950年代　高木先生がその特徴を詳細に検討

上半身、特に側胸部の圧迫で起こる(下半身なら臀部あたり)⇒両側胸部を圧迫すると上半身の発汗抑制・下半身の発汗亢進

左右差は正中で明瞭だが、上下は臍のあたりで不明瞭な境界

圧迫された側の発汗抑制・非圧迫側の発汗亢進⇒発汗神経の相反神経支配か代償現象による

圧迫強度が高いほど・圧迫面積が広いほど、発汗抑制効果は強くなる。しかし効果の範囲は変わらない

頭部・顔面部の圧迫では、ほとんど起こらない

これらの反射は、体性ー交感神経反射に属するため、脊髄分節が関与するとされる。

た だ,皮 膚圧 一発汗反射 の場合,そ の反射 弓,と くに遠 心路 が交感 神経幹 内で分岐 して上下数 節 に及 んで広 く分 布す るため,反 射効 果が現れ る区域 がか な り広 くなる と考え られ る.腸 骨稜 以下 の下半 身部 か らの知覚路 は腰髄 ・仙 髄 のいず れかの分 節(L1～S5)へ 入 り,一 方,交 感神経遠心 路 はすべて腰髄(L1,2,と きにL3も)で中継 され るた め,圧 迫 部位 によ って効果 の現 れる区域が著 しく変 わ るとい うことはないので あろ う.
な お,頭 部 ・顔面部 の圧迫 で は半側発汗 反射はほとん ど認 め られな いが,こ れ は これ らの部位 か らの知覚 路が三叉 神経知覚 枝 を経 て脳 幹部に入 るか,脊 髄神経 を経て 頸髄 上 部(C1～4)に入 るので,胸 髄(と き に頸 髄 最 下 部C8)以 下 に発 す る脊髄交 感神経遠 心路 とは ほとん ど接 続 してい ない ことによる と推定 され る.