都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

ドライアイの捉え方の違い

日大医誌 75 (1): 52–53 (2016).ドライアイは炎症性疾患なのか?̶ドライアイの近年の考え方と絡めて̶.﨑 元 暢.

 

ドライアイに対する考え方は日本と欧米で異なるそう。

日本では、涙液安定化を図った点眼治療が主だが、

欧米は、炎症性疾患と捉え、抗炎症治療が行われる。

 

涙と関係する機能や構造;

http://inami.co.jp/inamaga/detail/?contents_type=481&id=1624

 

涙液⇒油層~眼瞼のマイボーム腺から分泌され、涙液の蒸発を防ぐ。

  ⇒水層~粘膜免疫因子(分泌型IgAなど)、サイトカイン、アミノ酸など

      無血管の角膜表面の酸素供給もする

  ⇒ムチン~角結膜表面の水濡れ性維持・涙液保持

支配神経;

基礎分泌:交感神経~眼の潤いや老廃物の排出、栄養補給。

情動性分泌:副交感神経~感情で涙腺が刺激され、分泌。

刺激性分泌:三叉神経~角膜知覚を司る。物理的な刺激で涙腺が刺激され分泌。

顔面神経~瞬目・閉眼による涙液のミキシングを担う

涙は、涙液メニスカスに溜まる。貯めきれなくなった涙がこぼれる。

分泌と排出のバランスがくずれるとドライアイになる。

涙液減少型ドライアイ~シェーグレン症候群や抗コリン薬の内服など

蒸発亢進型ドライアイ⇒内因性~マイボーム腺機能不全:油層分泌機能低下

          ⇒外因性~コンタクトレンズ・乾燥・薬剤性・アレルギー性

 

日本と欧米で考え方が異なるように、ドライアイは未だ分からないことが多い。

しかし、原因が多岐に渡るため、どちらかが正しいというより、両方正しい可能性もある。

涙液の不安定化か?涙液の高浸透圧化による炎症か?

さて鍼灸はどう関われるか?はまたいずれ。