鎖骨と胸鎖関節の損傷
本日は、鎖骨と胸鎖関節の損傷について。
Eur J Trauma Emerg Surg. 2020 Jan 20. doi: 10.1007/s00068-019-01293-0. [Epub ahead of print]
Medial injuries of the clavicle: more prevalent than expected? A big data analysis of incidence, age, and gender distribution based on nationwide routine data.
Bakir MS1,2, Unterkofler J3,4, Haralambiev L5,3, Kim S5, Carbon R6, Ekkernkamp A5,3, Schulz-Drost S3,7,8.
鎖骨や胸鎖関節は、肩鎖関節を介して、肩甲骨や上腕骨の可動域に関わるものです。これらを肩甲帯と呼ぶ。
この部分の損傷は、外傷の中で、鎖骨骨折は、全骨折のなかの2.5-10.0%
肩甲帯の損傷の3%は胸鎖関節の損傷(MCI)とされている。
この研究では、MCIの発生頻度を調査し、性差や年齢などを調べることが目的。
2012-2014年の間にドイツで行われた。
結果;
114003名の患者のうち、鎖骨損傷などを含む患者は12.5%の14264名。
このうち、内側鎖骨骨折(MCF)は13588名
胸鎖関節脱臼(SCJD)は676名
だった。
年齢;
20代と50代で、男性に多い。
MCFは、70代以降になると増加傾向。
発生理由で最も多いのは、交通事故。とのことだが、
転倒とかはどうなのだろうか?書いてないけど。
従来から言われていたよりも、内側鎖骨骨折は多い発生率だったそう。
神経や血管の損傷も想定されるため、認識を改める必要があると著者は書いています。