Hertoghe signについて
本日は、視診に関する1つの徴候で、Hertoghe sign(ヘルトーゲ・サイン)についてです。
以前ブログ内でも、名前だけは取り上げていましたが、今回はそれを紹介。
Parrino D, et al. Hertoghe sign: a hallmark of lepromatous leprosy. QJM. 2016 Jul; 109(7): 497.
Kumar KV, et al. Visual vignette. The Hertoghe sign. Endocr Pract. 2011 Jul-Aug; 17(4): 666.
ヘルトーゲサインは、別名で「Queen Anne's sign(アン女王のサイン)」とも言われるようです。
デンマークの初代女王アンさん
ヘルトーゲサインは、眉の外側3分の1が薄くなるもしくは喪失することを表した徴候です。
アン女王に認められたことから、別名になっているようです。
Eugene Hertoghe博士が、甲状腺研究をしている際に発見しましたが、この徴候の正確な病因は明らかではなく、自律神経系の変調が関与しているのでは?と考えられているようです。
現在では、ヘルトーゲサインは、
甲状腺機能低下症
重金属中毒
梅毒
Dubowitz症候群?
アトピー性皮膚炎
で起こる皮膚症状のようです。
この方は、56歳のイタリア人男性で、ハンセン病患者さんだったようです。
(QJM. 2016 Jul; 109(7): 497.)
甲状腺機能低下症患者の写真は下のです。
左と真ん中の写真は治療前、右の写真は治療後のようです。
(Endocr Pract. 2011 Jul-Aug; 17(4): 666.)
アトピー性皮膚炎でもヘルトーゲサインが認められることがあるようですが、
Dennie signもあります。
これは、眼の下の皺で、アトピー性皮膚炎の際に出現するようです(Pediatr Dermatol. 1996 Jan-Feb; 13(1): 10-3.)。
眉毛が薄くなってきたら、どこが薄くなってきたのかを聞き、視診をする。