最近、瞼が下がってきたような
本日は、眼瞼下垂に関する報告を抄読。
久島英雄.新たなる疾患概念「眼瞼挙筋腱膜すべり症」.信州医誌.2004;52(2):129-130.
眼瞼下垂は、先天性と後天性があり、後天性の疾患として有名なのは重症筋無力症だろう。
しかし、最も多いのは、「腱膜性眼瞼下垂症」となり、すべての人がこの予備軍と言われる、いわゆる老化現象の1種である。
眼瞼挙筋腱膜は、上眼瞼挙筋から連続している腱膜で眼瞼結膜に付着する。これにより、瞼を持ち上げる作用がある。その補助筋として、ミュラー筋もある。
加齢や外力(目をこするやコンタクト使用など)、により眼瞼挙筋腱膜が剥離や菲薄化することで、眼瞼下垂が生じる。
しかし、一気にこの状態になるわけではなく、「代償期」が存在する。
例えば、瞼が下がりだしたことで、見えにくくなり、顎を挙げた状態で正面を視る、おでこの筋肉を使って眉毛を挙げ、目を開くなどがそれにあたる。
これらの代償運動により、やがて、頭痛などが発生するとされている。
また、補助筋であるミュラー筋が過剰に働くと、交感神経が刺激されるため、自律神経症状(手汗や瞳孔散大など)が出現することもある。
治療法としては、外科的治療がある。
治療により、随伴症状の改善があったとしている。
すべての人が予備軍ではあるものの、すべての人が眼瞼下垂になるわけではない。その差はどこにあるのか?またその頻度は?などまだ不明な点は多い。
眼瞼下垂に関する身体所見を以前取り上げています。
興味のある方は、そちらもご覧ください。
「眼瞼下垂や複視をみたら」
https://blog.hatena.ne.jp/ararepyon/ararepyon.hatenablog.com/edit?entry=26006613375483770