都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

喉元が腫れていない?と言われたら。

最近、甲状腺の腫れや橋本病の既往のある患者さんが立て続けに来院。

 

なので、復習がてら勉強しなおしてみました。

 

甲状腺腫は、甲状腺が側方から2mm以上突出して視認できた場合に判断する。

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頚部を伸展しても甲状腺が分からなければ否定的。

たとえ、甲状腺機能症状がなくとも、甲状腺腫が判断できれば、将来のリスクとなる。

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甲状腺機能は低下と亢進があり、

活動性

食欲

体重変化

便通

月経

熱耐性

心拍数

皮膚

毛髪

をチェックし判断する必要がある。

 

私はアキレス腱の腱反射を用いて判断することも併せて行いますが、これは確定には使えますが、否定には使えません(感度77%、特異度93.5%LR+11.8、LR-0.3)

 

その他の身体所見は下記のスライド(http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-narima-150914.pdf)を参照

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甲状腺腫+甲状腺機能低下症の原因の多くは橋本病とされ、約90%近くを占める(Clin Chem.1999 Aug;45:1377-83.)

 

橋本病は20代後半以降の女性に多く、びまん性甲状腺腫大(初期では柔らかいがやがて硬く、表面は不整、自発痛や圧痛はない、頚部違和感などを訴える)を認め抗Tg抗体あるいは抗TPO抗体が陽性となる。

甲状腺機能低下症=橋本病ではない。

初期は甲状腺腫のみの場合が多いが、やがて甲状腺機能低下症をおこすことがある。

声が嗄れ声になる、寒がり、血圧が低下傾向、浮腫(non-pitting)、便秘、月経過多(間違えやすいので注意)、などは知られていることが多いが、腓腹筋の痙攣は比較的早期から出現するものの、あまり知られていない印象。

 

今年の報告では、甲状腺機能が投薬治療で正常化したにも関わらず、倦怠感や疲労感といった甲状腺機能低下症の症状が持続するケースがあるとのこと。

その場合は、甲状腺切除により症状は改善したとある(Ann Intern Med.2019;170:453-464.)。

既往歴で、橋本病や甲状腺機能低下症があり、TSHなどは正常範囲と言われたけど、体のだるさを訴える方が鍼灸院に来られる可能性はある。

その際は、こうしたことを検討し、患者さんと相談する必要がある。

 

簡単にまとめてみましたが、そのうちきれいにまとめてみようと思います。