都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

鹿児島スキンタッチ会講演と本日の抄読

昨日(7月28日)は、鹿児島県鍼灸師会館にて鹿児島スキンタッチ会が開催され、聴診器活用法を講演しました。

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参加人数は多くはないですが、どの鍼灸師の先生も熱心に拝聴して頂き、少しはお役に立つことが出来たかな?と思っています。

また、開業祝いのお花もいただきました。ありがとうございます。

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きれいな花で、大切に飾らせていただきました。

 

さて、本日の抄読は、

Zhou Y, et.al. Constipation increase disability and decreases dopamine levels in the nigrostriatal system through gastric inflammatory factors in parkinson's disease. Curr Neurovasc Res.2019 Jun 18.

パーキンソン病における胃の炎症性因子を介して便秘になるには黒質線条体の障害とドーパミン濃度の低下が関与

 

本文は手に入らず、抄録のみ読みました。

 

便秘症は、ときにパーキンソン病の運動症状よりも先に起きることが示唆されている(Braak仮説)。

これまでに、腸管通過時間の延長が腸管障害による炎症で起き、パーキンソン病の病院との関連性があることが報告されている。

 

今回の報告は、便秘の存在が黒質線条体ドーパミンレベルにどのように影響するのかを検討した報告。

 

対照群と介入群の2群に分けられ、平均年齢が介入群の方が高かった(p<0.05)。

Yhar分類とUPDRS-Ⅲの平均スコアは2群間で有意差あり(p<0.05)。

レボドパの用量に有意差はなし。

被殻および尾状核ドーパミンレベルでは、被殻は対照群に比べ有意な減少を示した(p<0.05)。

このドーパミンレベルと免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンG(IgG)に負の相関が認められた(p<0.05)。

 

以上の結果より、便秘の存在はパーキンソン病における運動症状の重症度を高め、黒質線条体ドーパミンレベルを低下させる可能性が示唆される。

 

とされています。

この5年ほどで、さかんに腸内細菌と中枢神経系疾患の関連性が取り上げられるようになってきました。

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別な論文のものですが、おおまかにこんな感じの機序になっているように思います。