耳鳴りと鍼
今日は、耳鳴りについての臨床報告を読みました。
同一著者から2編の報告がありましたので、まとめてみました。
犬飼賢也、他.
耳鳴に対する翳風への円皮鍼が有効であった3症例. 日東医誌. 2017;68(1):17-22.
太谿への鍼が有効であった耳鳴の3症例. 日東医誌. 2017;68(3):195-201.
耳鳴に対する内服薬は、脳血流改善薬や脳代謝賦活剤、ビタミン剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤を試みるのが一般的
しかしその効果は、うまくいかないことが多い。
そんな時は鍼灸を試す。
方法1:翳風穴へ円皮鍼(パイオネックス🄬)を用いた3症例
方法2:太谿穴への置鍼を行った4症例
比較的、耳鳴り発生から数日で開始されている。
評価
耳鳴を自覚的苦痛度で数値化するTHIを使用。
方法1を行った3症例はいずれも、耳鳴りが正常範囲へと改善したとしている。
しかし、方法2では、翳風穴は無効であったともしている。そのため、太谿穴を使用した。その結果、4症例中3症例が正常範囲へと改善した。
耳鳴に対する過去の報告をみても、治療法は様々で、どの方法がベストなのかははっきりしない。
しかし、共通するのは、耳鳴り発生から早期に治療に臨んだ方が改善する可能性が高いということだろう。
当たり前のように聞こえるかもしれないが、耳鳴りは放置している人は一定数存在する。
本人が日常生活に支障がなく、苦痛に感じない程度ならそれでもいいとは思う。
しかし、我慢をしている人もいる。
鍼灸師として、急性期の耳鳴、慢性耳鳴を改善する方法を模索する必要があると再度考えさせられた報告でした。