都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

肺炎について

今週、患者さんが咳、鼻水、微熱が4日前にあり、いったん治まったが、咳だけまた出だしたと、ご家族より相談を受けた。

患者さんは、風邪だと言うが、その他の疾患も鑑別する必要があるとして、病院受診を勧めた。

特に肺炎を否定できなかったためだ。

医師の診察の結果、肺炎は否定されたとのことで、ひとまずは良かったが、自分の中で肺炎を疑うルールを決めておく必要を感じた。

 

そこで、今回は肺炎について

 

肺炎は、~肺炎とつくものがいくつもある。しかし、これは大きく3分類すれば、すっきりする。

1)病原菌による分類

①細菌性肺炎

②ウイルス性肺炎

③非定型肺炎~マイコプラズマクラミジアなどが原因で起こる

 

2)感染場所による分類

①市中肺炎~病院や診療所以外の場所で感染

②院内肺炎~病院や診療所、施設などに入院していて感染

 

3)感染部位による分類

①肺胞性肺炎~肺胞が炎症を起こす

間質性肺炎~肺胞を支える間質が炎症を起こす

 

この他、誤嚥性肺炎も忘れない。

 

一言で肺炎と言っても、どの肺炎を指すのかを分けて考えないと、話がかみ合わないことになる。

 

病歴とバイタルサインでどこまで疑えるか?

 

Does this patients have community-acquired pneumonia? Diagnosing pneumonia by history and physical examination.

JAMA.1997 Nov 5;278(17): 1440-5.

 

Testing strategies in the initial ,management of patients with community-acquired pneumonia.

Ann Intern Med.2003 Jan 21; 138(2):109-18.

 

マクギーの身体診断学 改定第2版

より

 

病歴やバイタルサインの単独では否定できない。

そこで、これらを組み合わせたルールではどうか?

 

Diehr rule

鼻汁: -2点

咽頭痛: -1点

寝汗: +1点

筋肉痛: +1点

1日中痰が出る: +1点

呼吸数>25回/分: +2点

体温≧37.8℃: +2点

 

合計点が、

-1点未満(-3点~-1点): LR+0.22

-1点以上(-1点~0点): LR+1.5

1点以上(1点~2点): LR+5.0

3点以上(3点~7点): LR+14.0

となる。

 

仮に65歳以上の肺炎発生率を10%とした場合、-1点未満では事後確率は2%、3点以上の場合60%となる。

 

Heckerling rule

体温≧37.8℃

脈拍≧100/分

crackle

呼吸音減弱

喘息がない

 

これらの所見を探し、該当しなければ肺炎は可能性が下がる。